2022/08/09更新しました。
青森県津軽地方では、お盆のお墓参りに法界折を供えることが多いです。
きゅうりやナスを割り箸や竹串でつくる精霊馬とともに、法界折もお供えするのです。
法界折は今は亡きご先祖様の供養のため供える折詰のような感じで、精進料理を彩りよく詰めます。
91歳の姑が毎年、作っているのでコツを聞いてきました。
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黒豆ご飯と山菜のお煮しめ
各家庭で具材は多少ちがいますが、必ず入れるのが黒豆やゴマのお赤飯とお煮しめ。
姑は、もち米を一晩水につけて、蒸し器でふかして赤飯を作ります。
あずきはおめでたいときのものなので、黒豆を法界折には入れているそうです。
ちなみに黒豆は市販品。
作る方によって甘納豆の場合もあります。
山菜のお煮しめ
春にとれるタケノコやふきを煮含めた、お煮しめは法界折には欠かせません。
塩蔵していた山菜を塩抜きしたものを姑は利用していますが、スーパーで買える袋入りの水煮・山菜でもOK.
精進料理なので、鶏肉やツブガイといった動物性タンパク質と一緒に煮ない方がよいでしょう。
仏教は殺生を戒めます。
ヒトも動物の命も奪うことを、禁じている宗教です。
おだしは?
法界折のお煮しめを作るときは、おだしも昆布やシイタケ、マイタケなどにして、かつおぶしや煮干し、焼き干しは使わないほうが正解。
なお、姑はかぼちゃの煮物も加えることがあります。
オレンジの色が映えるので、彩りがきれいになりますね。
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枝豆やとうもろこし
ちょうど収穫が始まっている枝豆。
茹でたり蒸し焼きにして、少し法界折に入れることは多いです。
ご家庭によっては、親戚中のお墓に供えるために、5つも6つも法界折を準備することもあるので、主婦はたいへん。
とうもろこしを入れることもありますね。
お盆は青森の地物トウモロコシ・嶽きみが出回りはじめる頃です。
買うと600円~800円くらい
スーパーで予約のほか山積みで売られる法界折は、「お供え用ですから食べないで下さい」と、但し書きがついています。
本来は、お墓でご先祖様に供えたら、その子孫たちが食べて家には持ち帰らないのが法界折でした。
現在はカラスが散らかすため、お寺さんや墓地では「お持ち帰りください」と、張り紙がされています。
まとめ
お盆が近づいてきました。
姑は黒豆ご飯とお煮しめを手作りし、メロンやスイカを切ったものも加えることもあります。
この記事の2枚の写真には、ヨーグルトが写っているのですが、牛の乳から作られた加工品も厳密にはNGかも。
精進料理が基本となります。
コツはおだしも昆布やシイタケでとり、山菜やこんにゃくを煮含めると良いということ。
津軽でよくお墓に供える法界折について、お伝えしました。
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