つがる時空間

青森県弘前市を中心に弘前公園やねぷた、こぎん刺しを紹介

青森のおしらさま

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おしらさまとは?

おしらさまは東北に伝わる民間信仰のひとつです。
家の守り神、農業の神、桑の神 のほかに、眼の病に霊験があるとされていました。

男神と女神の二体で一対。
木の棒をご神体として頭部には馬や女性の顔が描かれたり彫られたりしています。

馬と娘の悲恋がその縁起とされて、元々の伝承は中国から伝わった説話ですが、中国の説話はあまりロマンチックな話ではないようです。
利己的な姫が自分の都合で馬を利用するストーリー。
国民性の違いでしょうか、日本に伝わる馬娘婚因譚(ばじょうこんいんたん)は馬と娘の純粋な気持ちが哀れ。

津軽では盲目の女性が口寄せをする『イタコ』がオシラ祭文を唱え、遊ばせました。

祭文は、ロマンチックで悲劇の恋物語を美しい日本語で語ります。 

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百姓の娘が馬と恋におちて、それを知った父親によって馬が殺され、嘆き悲しんだ娘 馬の首と共に天界に昇り去るというもの。

蚕とのいわれは、天に昇った娘が、庭の臼に馬の顔をした虫を授けるから、大切に育て、暮らしの手立てにしてほしいと父親の夢枕に現われ告げ、それがお蚕だったとのこと。

昔は津軽でも、さかんに養蚕がされていたそうです。

おしらさま
 
写真は2008年に陸奥新報に連載していた「つがる☆時空間」のコラムで、取材させて頂いた津軽マダム。
田舎館村の大きな農家のおがさまでした。

あでやかで豪華な「オセンダク」を纏ったおしらさまです。
「オセンダク」の意は洗濯された着物。おしらさまにはメリンスや木綿、あるいはこのように、金彩の布が用いられます。


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古くからこちらのお宅に伝わりますが、元々は集落のおしらさまで百万篇の大数珠とともに、お預かりしているそうです。 

とても大切にされていました。
毎日、「どうぞ家族と集落をお守りください」と、手を合わせ、毎年オシラ講を行うそうです。

オシラ講は、霊能者とされるカミサマを呼んで、神降ろしをし、ご宣託を授けてもらう儀式です。

こちらの津軽マダムは毎年2月に、集落 の福祉センターで地域の方たちと講を行うほか、5月には弘前市南西部にある久渡寺で開かれる王白羅(おしら)大祭へもお参りしていました。
      津軽三十三観音 一番札所 久渡寺

久渡寺にて、2、3年に一度の割合で『オセンダク』を取り替え、前の着物はご利益があるので持ち帰り、お守りの袋などに再利用すると伺いました。

きらびやかな衣装に、ゴージャスに首に鈴や飾りを幾重にも巻いてあるおしらさまは、 津軽独特でしょう。
私は、豊かで平和な日本の象徴のように感じました。

おしらさまをお祀りする津軽マダムたちは、まるで自分の分身であるかのようにきれいに飾り付けて、日々、祈る。
素朴な信仰が、いまも脈々と息づいている青森です。


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