2019年6月10日更新しました。
すてきな津軽こぎん刺しの本が発刊されます。
こぎんファンはぜったい見逃せません。
伝統的でモダンな こぎん作家・故 高橋寛子さんの図案集が1冊にまとめられました。
佐藤陽子こぎん展示館が発行した本を手に取り、私は胸がじんとします。
愛弟子の佐藤陽子さんが、師の高橋寛子さんの遺志を継いで、こぎんの技術と想いを伝える本です。
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こぎんの再興に尽力した高橋寛子さん
高橋寛子さん(1925~2015年)は、15歳の時に弘前こぎん研究所の前身である木村産業研究所に入所。
後に夫となる高橋一智氏は農村を訪ね歩いて、こぎん衣を研究し、図案を手書きしました。
こぎんが盛んだった明治時代、農家の女性たちは頭の中でモドコを組み立てて刺し綴ったため、図案はなかったのです。
寛子さんは、それを刺して後世に残し、こぎんの再興に尽くされた。
こぎん冬の陣Prat2では、寛子さんが刺した作品が藤田記念庭園の考古館に展示され、刺し模様の美しさにため息!
津軽こぎん刺し図案集を発行した佐藤陽子こぎん展示館は、弘前市真土(まつち)地区にあります。
岩木川にほど近く、展示館の窓から雄大にそびえる 岩木山が望めました。
高橋寛子さんの生き方や業績は、そらとぶこぎん創刊号に詳しく載っています。
陶芸家であり、こぎんの研究者として生きた一智氏を支えた寛子さんの大作は、弘前市に寄贈されました。
そのほかの小さな作品群も、緻密なモドコで見応えがあります。
そらとぶこぎん2号は、麻の特集。
植物のからむしを栽培し、糸に織り上げた山内えり子さんをはじめ、こぎん刺しの情報を満載。
そらとぶこぎん第3号ももうすぐ販売される予定。
ところで高橋一智氏の陶芸は、弘前市坂本町の「名曲と珈琲ひまわり」に飾ってありました。
趣のある建物として市民に愛される老舗の喫茶店。
こぎん一筋
さて、農民衣の結晶と激賞した柳宗悦に見いだされるまで、こぎん刺しは久しく忘れられた衣でした。
江戸時代の奥民図彙(おうみんずい)にも描かれいるこぎん刺しは、農家が自給自足の麻の着物を暖かく着るために、木綿糸で刺し綴った手刺繍。
明治中ごろに鉄道が開通すると、木綿の反物がたくさん流通され、手間がかかる麻布作りや、こぎんを刺す人はいなくなります。
また、地元では農民の手仕事に価値を見出す気風はなかなか生じませんでした。
陶芸家の高橋一智氏は、京都での修行中に師の河井寛次郎から「君の故郷には、こぎんという宝があるから、ぜひ研究なさい」と、勧められたそうです。
民藝運動によって、高く評価されたこぎん刺し。
ただ、高橋一智氏と寛子さんご夫婦は本を出さないままご逝去されたこともあり、その業績を知る世代が、徐々に少なくなっています。
そこで、高橋寛子さんから教えを受けた佐藤陽子さんが、後世に伝えたいと出版された本なのです。
こぎんの真心に圧倒!
津軽こぎん刺し図案集~高橋寛子 天からのおくりものを購入するには?
前ページがカラーで、方眼の図案が見やすい。
1冊 税抜3,500円 8パーセントの消費税を入れると3,780円です。
「コピーをきれいにできるように、大きめの方眼で図案を掲載したの。付録として白紙の方眼付きです」
陽子先生は柔かな笑顔でおっしゃいました。
ご上梓、おめでとうございます!
3月30日に東京で開催された「こぎんブックマーケット2019」で大好評だったそうです。
弘前市大字真土字東川199-1
℡・090-1491-4912
アマゾンや書店にはありません。
1000部限定。
津軽工房社のサイトでは4月5日からの販売とあります。
弘前市百石町のしまやさんのサイト
まとめ
佐藤陽子展示館が発行した『津軽こぎん刺し図案集~高橋寛子 天からのおくりもの」を紹介しました。
手芸ブームでこぎん刺しも、とみに人気が出ています。
アマゾンにはない限定本。
114ものモドコの図案が載っていて、こぎん愛にひたれる1冊です。
陸奥新報に書評を掲載していただきました。
写真のこぎん刺しは図案集から私が刺したこぎん刺し。
実際に刺すと、達成感を感じるこぎん刺しの図案集です。
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