2023/04/25更新しました
ブナの原生林に囲まれ、弘前から車で30分ほど。
さらに白神山地に向かって行くと津軽白神湖が見えてきますが、そのダム湖に沈んだ集落がありました。
ダム建設にともない縄文遺跡の発掘調査が行われ、そのときの遺物が県立郷土館に展示されています。
見応えのある土器や土偶を見ることができるのは2019年1月20日まで。
冬休みにぴったりな企画展『新説!白神のいにしえ』を見学したので、お伝えします。
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西目屋縄文遺跡群
一部をのぞいて撮影することができました。
西目屋縄文遺跡群、1万5千箱を超える土器や石器が出土して、あの三内丸山遺跡の4万箱に次いで豊富な遺物の量だそうです。
造形が見事で、驚きました。
現代の感覚では、西目屋村と言うと山あいの村ですから、買い物や通院にちょっと不便かなと思いがち。
しかし、縄文人は広い平野を必要としない民だったとか。
クリやクルミなど木の実、クマやウサギ、カモシカなどの動物が数多く生息している白神産地は、縄文の人々にとって住みやすい場所だったのです。
1万年にわたる西目屋縄文遺跡群
しかも日本海へ通じる道が当時もあって、各地と交易した証の黒曜石も出土しています。
車で行くには険しい山道ですが、縄文人はどこまでも自分の足で歩いて、舟を作り、海に漕ぎ出して行ったのでしょう。
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縄文時代の土偶
西目屋村に栄えた縄文時代は1万年も続いて、晩期の遮光器土偶も出土。
我々の祖先は、自然の木々や土から生活道具をなんでも作りだして、森の中に暮し続けていたのですね。
たくましいと思いました!
これは珍しい!
注口土器に、人の顔が形作られているのですよ。
しかも欠けることなく発掘できたのは奇跡に近いのではないでしょうか。
美しいです。
特徴的なのは石棺も出土していることで、復元されて展示されていました。
いやー西目屋村の歴史に驚くばかり。
風光明媚なので、たびたび出かけていましたけれど、縄文の遺物がこんなにたくさんあったとは!
昨冬は乳穂ヶ滝(におがたき)が4年ぶりに結氷したので、見物に行きました。
信仰の場でもあるので、滝の裏に祠があります。
白神山地の暗門の滝は、遊歩道があったとき3度くらい散策しました。
岩木川の源流のせせらぎは美しい。
この渓流の険しい山道を、炭俵を背負い行き来した砂子瀬の娘さんたちがかつてはいたんですね。
目屋人形は炭焼き小屋の娘たちの労働の姿を今に伝えます。
西目屋村のこぎんが5点、展示されています。
青森市の民俗学者・故 田中忠三郎先生の収集による刺し子衣は、国の有形重要文化財に指定 されています。
縄文から炭焼き、西こぎんと西目屋村の歴史が見渡せる展示内容でした。
西目屋村のこぎん刺しは刺し目が細やかで美しく、山仕事に欠かせない衣だったのです。
まとめ
県立郷土館で『新説!白神のいにしえ展』が開催中です。
大人310円で、とっても見応えのある展示でした。
時間9:00~17:00
11・12月 一般 310(250)円 / 高校・大学生 150(120)円
◇1月 一般 250(200)円 / 高校・大学生 120(100)円
※( )内は20人以上の団体料金。中学生以下は無料、障がいのある方、老人福祉施設に入所の方は観覧料免除。
上記金額で常設展示もご覧になれます
地元に住んでも知らないことがまだまだある。
青森って面白い。
冬休みにぴったりな縄文の世界へどうぞ。
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