つがる時空間

青森県弘前市を中心に弘前公園やねぷた、こぎん刺しを紹介

津軽三十三観音霊場 一番札所 久渡寺

苔むした長い石段が続いていました。
江戸時代からの歴史ある久渡寺(くどじ)は、弘前市の南方・坂元地区にあります。

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 円山応挙作の幽霊画があり、
自然の豊かな山のなかにしずかに建つお寺です。
br />5月は王志羅講の大祭がありました。
明治になって、津軽民間信仰であるおしらさまのメッカとなり、今でも毎週日曜、午前11時におしら講が開かれていますよと、お寺の方が仰っていました。

私は17日の朝8時にお参りに行きました。
そのとき奥の院にて、たくさんの方がお経を唱えていました。

津軽三十三観音霊場 一番札所です。
希望の方にご朱印を授けてくれます。


観音帳にご朱印を頂く方と、まっさらな帷子(かたびら)に頂く方がいます。
経帷子(きょうかたびら)は、亡くなったとき着る着物。
昔は麻が多かったのですが、いまではシルクの絹もあるそうです。
たいてい木綿ではないでしょうか。


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自分があの世に行くための用意として、
ご朱印を頂き、帷子にたくさん押してもらうと、極楽へ行ける。
そんな信仰があることを知ったのは、
数年前にこの久渡寺をお参りしたときでした。

県南のほうからお遍路姿でお参りしていた年配の男性と一緒になりました。

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奥の院で朗々とした声で般若心経を唱えていました。
「妻を二年前に亡くしましてね、私も心臓にペースメーカーを入れているし、
いつどうなるか分らない。歩けるうちに札所を回っているんですよ」

そんな話を伺いました。
そうして本堂にてご住職からご朱印を帷子に押してもらったのです。
一期一会の出会いでした。
この長い石段を休み休み降りられていました。


奥の院にはお参りにきた方の願いを書いたお札がたくさん下がっている所があります。
「主人の足が早く良くなりますように」
蝉の声が降るように聞こえた夏の日、
家族の快癒を願う気持ちに心打たれたことがありました。

いま春の久渡寺は新緑の香りに包まれて、参拝者を迎えています。

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