青森県出身の髙森美由紀さんの新刊「藍色ちくちく 魔女の菱刺し工房」を読みました。
県南地方の南部菱刺しをモチーフに、オムニバス形式の物語。
本の感想をお伝えします。
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藍色ちくちく
津軽こぎん刺しと南部菱刺しの「津軽南部さしこ着物」は、786点が国の重要有形文化財になっています。
津軽こぎんが布目の奇数目を拾い、菱刺しは偶数目を針ですくうという、違いがありますが、寒冷地の智恵ですね。
髙森美由紀さんの「藍色ちくちく」は、より子お婆さんの菱刺し工房に集う人間模様が秀悦。
架空の町 三津町を舞台にしています。
1章は高校生の女の子・綾が菱刺しに興味をもったきっかけが、菱刺しのブログ「マーサのダイヤモンド」を見たこと。
その魅力にハマっていくのです。
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菱刺し
菱刺しが盛んだったのは、明治から大正期。
色糸は毛糸が多いため、現存する菱刺しの古作は貴重です。
私が一番、胸を打たれたシーンは、より子お婆さんのお嫁入りの花嫁姿。
人間模様を丁寧に描いています。
藍色ちくちく 魔女の菱刺し工房 (単行本) [ 高森美由紀 ]
こぎん刺しを刺していますが、菱刺しもすてき。
本の中の菱刺しブログの更新が止まった理由に、思わず泣いてしまいました。
髙森美由紀さんが原作の「バカ塗りの娘」は映画化され、好評。
女優の堀田真由さんが津軽塗り職人の娘を演じています。
LGBTQの問題もはらみ、家族愛と仕事への愛の感動作。
津軽塗りや南部菱刺し。
青森の魅力を掘り起こして、作品化され、すばらしい。
まとめ
図書館から借りた「藍色ちくちく 魔女の菱刺し工房」を読んで、南部菱刺しの魅力に改めて気づかされました。
次々とご上梓され、映画化もおめでとうございます!
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