秋はきのこが旬です。
さもだしを親戚から頂いたので、青森の郷土料理「さもだしの塩辛」を作りました。
さもだしは「ならたけ」のこと。青森ではおいしい天然きのことして、ファンが多い。
「ずるめぎが、めぇんだ!」
このネイティブな津軽弁を共通語にすると「つるつるとした食感がおいしいですね」となります。
さもだしを細かく刻んだ昆布と和える「さもだしの塩辛」とみそ汁のレシピを大公開。天然きのこの下処理もくわしく解説します。
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天然きのこの下処理とは?
スーパーで年間を通して売り場にならぶマイタケやエノキダケは工場で生産されています。
さもだしは山のなかに自生しているため、土や木の葉や虫がついています。
しかも、さもだしの内部にまで虫がいることがあるので、ただの水洗いだけでは除去できません。
海水くらいの濃度の塩水に15~20分ほど漬けると、小さな虫がさもだしから這い出てきます。
- 海水ほどの塩水に15分漬ける。
- 白っぽい糸状の虫が水に浮かんでくる
- ぬるま湯でよくきのこを洗う
この3つがポイントです。
いきなり熱湯をかけるとか煮てしまうと、きのこの襞(ひだ)にもぐりこんだ虫をおびき出すことが不可能になります。
塩水につけて、虫をきのこの内部から出しましょう。
マツタケも虫がいました!
ちなみにマツタケの場合は、肉眼で見てピンセットでつまむ。
見え難い方は拡大鏡を使うと白い虫が、わかるはず。
きのこを食べるのなら、虫も食え。
そういう人もいますが、できるだけ虫は取り除いたほうが良いでしょう。
さもだしの塩辛レシピ
塩水で虫出しをしてきれいに洗ったさもだしは、この写真のようになります。
これを小鍋に水1カップを沸騰させて煮てください。
そして灰汁を取りながら、麺つゆを大さじ1ほど加えて味をつけましょう。
さもだしの量が多いときは、水を1・5カップにするなど、調節してね。
写真は、洗ったさもだしを煮て冷ましたところ。
ここで、きのこ以外の材料を紹介しますね。
- 菊の花
- キュウリ
- 塩辛昆布かナット昆布
- 鷹の爪か、七味唐辛子
- 細かく刻んだスルメ(入れるとおいしいですが、なくてもOK)
菊の花は花びらをむしり、さっとゆでる。
ゆで時間は20秒くらいでしょうか。あまり煮過ぎると、菊の香りが薄くなります。
キュウリは薄くスライスして、軽く塩もみ。
茹でた菊の花と、キュウリは固くしぼってください。
固く絞らないと、さもだしの塩辛が水っぽくなるので、注意を。
さて、ナット昆布の登場です。
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おさきんのナット昆布
株式会社おさきんは、青森県つがる市木造町にある海産物のメーカーです。
私は、ナット昆布はよく粘るので愛用しています。
「厳しいテストに合格し、南極越冬隊食品として採用されています」と、袋に表記があり、袋から出すと、こんな状態。
ここで大切なことがあります!
ナット昆布は、必ず冷ました「さもだしのだし汁」に入れること。
熱湯に入れると、昆布は粘りません。
ネバネバしなくなるのですよ。
菊とキュウリとナット昆布を混ぜて、数分後にはよく粘る状態に。
鷹の爪は、種をのぞいてから赤い皮を細かくして加えました。
とっても美味しい郷土料理「さもだしの塩辛」の出来上がり。
炊き立てのご飯のお供にぴったりです!
さもだしのみそ汁
さもだしはおみそ汁にしても、おいしいですね。
虫だしして、きれいに洗ったさもだしを煮てから、味噌を加えると香りがよいみそ汁になります。
写真はホウレン草とさもだしのみそ汁。
大根おろしをさもだしのみそ汁に入れても、美味です。
まとめ
青森の郷土料理「さもだしの塩辛」と「さもだしのみそ汁」作り方をお伝えしました。
- ポイントは天然きのこなので、下処理が必要。
- 塩水につけてきのこの襞にひそんでいる虫を出すこと。
- ナット昆布はぬるいお湯、または水の温度に冷ましてから加えること。
親しまれてきた青森の味をぜひ料理してください。
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