農のふれカフェお披露目会が開催されて、平川市尾埼の工房Junkoにて花炭とピザ作りを体験しました。
中南地域県民局の事業『農のふれカフェ』は、農園で地元の野菜や果物をたっぷり使った料理やスイーツを提供する体験型カフェの取り組みです。
工房Junkoを運営する石山順子さんは旧家の奥様。
花炭作りと季節の食材を使った手作りピザの体験ができ、身近な植物を薪の炎により炭化させる作業は驚きの連続!
それでは農のふれカフェお披露目会の様子をお伝えします。
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花炭とは?
平川市尾崎(おさき)の石山順子さんのお宅は、江戸時代から続く旧家です。
自宅に隣接する尾崎八幡宮(おさきはちまんぐう)は尾崎城の跡地に藩政時代に創建され、石山家が神事を代々に渡り執り行ってきたそうです。
大きなお宅で、さすが旧家とおじゃました瞬間に、私は感じました。
石山さんはご自宅で民泊も開業され、台湾やタイからのお客様をもてなすことがあるそうです。
陽射しの暖かな部屋に石山順子さんの作品が展示され、花炭を間近で見学。
さて、花炭とは何でしょうか?
元々は茶道で用いられる観賞用の炭で、14世紀ころから茶室の飾り物として茶人の目を楽しませてきました。
石山順子さんは若い頃から茶道に親しみ、あるとき茶会で80歳を過ぎた大先生が丹精を込めて作られた花炭に、ハッと魅せられたのだとか。
「お点前の席で花炭のそばに白い小菊が飾られ、そのコントラストが何とも美しかったのです。どうやって焼くのだろうと次第にのめりこみ、黒の魅力にはまりましたね」と、順子さん。
ところで、この炭には様々な効能があることをご存じですか。
炭は昔から燃料として使われ、住環境を整える作用があります。
部屋を浄化させてくれるのですね!
それではいよいよ石山さんの裏手にある農園にて、実際に焼く体験へ。
耐火レンガのかまど
画像は「農のふれカフェお披露目会」の参加者やスタッフと、一番手前に立っているのが石山順子さんです。
奥に見える木立の向こうが尾崎八幡宮。
のどかで静かな風景が広がっていました。
花炭を作るためのかまどには、薪がくべられ赤々とした炎。
剪定されたリンゴの枝や伐採の木を使用しているそうです。
炎はいまキャンパーの間で、静かなブーム。
いくら眺めても飽きない面白さがあります。
このカマドは耐火レンガを用いて設置しました。
こちらが花炭にする材料です。
蓮の実、松ぼっくり、イガがついた栗の実、竹、コーヒー豆……。
植物なら花炭にすることが可能です 。
手順は以下の通り。
- 缶に入れて薪の上に置く。
- 30~40分くらいで炭化する。
- 火からおろして炭化の状態を確認
- ふたを閉めて冷めるまで待つ
ふたを開けたままにしておくと、酸素の作用で燃えてしまうため、必ず冷めるまではふたをして待つことが花炭作りのポイントです。
煙がもくもく出ますが、農園が広いので近隣の迷惑になりません。
コスモスなど秋の 花が咲くお庭で、竹林もあるという贅沢な空間。
「こういう静かなところでのんびりと時間を過ごせたら」
誰もがそんなふうに思うに違いないでしょう。
手作りピザ
花炭が焼きあがるまでの間に、ピザを準備。
この日はイチジクのピザ&サラミやミニトマト・バジルのピザ、コーヒーがメニューとなります。
季節によって、食材は変更となります。
イチジクのピザにぬるソースは石山さん特製。
「甘みのあるイチジクなので、辛味のあるピザソースよりも玉ねぎとのケチャップソースのほうが合います。イチジクの上にたっぷりチーズをかけましょう」
花炭を火からおろしたら、順次ピザを焼きます。
ピザオーブンの中にピザを入れて、薪の火で焼きます。
私はピザオーブンを初めて知りました。
屋外で本格的なオーブン料理ができます。
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生まれた場所で生きる
石山順子さんは昭和28年に、旧平賀町尾崎のこちらの家でお生まれになりました。
「3人姉妹の真ん中です。姉と妹が長男に嫁いで、私も主人の仕事の関係で千葉県にずっと暮らしていました。でも母が亡くなると、父をひとりにしておくことが気がかりに。
そんなとき主人が、石山の家は旧家で神社を祭る立場にあるから、帰ってもいいと言ってくれたんです」
尾崎地区から旧南部領の七戸に通じる古道があり、山の上には寺屋敷の跡がいまも残る。
尾崎城主が無念の思いを抱いて世を去ったせいか、火の玉の伝説もあるそうな。
「自然豊かなこの場所を楽しんで暮らしたいですね。田舎だからこその楽しみを発信できたら」と、石山順子さんは語ります。
お話を伺っているうちに、ピザが焼き上がりました。
さわやかな風が吹き渡り、屋外で焼き立てピザを食べるのは至福です。
「夏は涼しくて天国、冬は厳しいけれど、その冬があればこその津軽でしょう」
そう話しながら、石山順子さんが微笑みました。
イチジクのピザは、スイーツ感覚。
イチジクがとろとろで甘い!
コーヒーも美味しくて、最高の気分です。
花炭の作品も缶から、ぶじに取り出すことができました。
草の上に置くと、黒の陰影が微妙に変わる。
焼きあがった花炭は持ち帰ることができて、うれしいお土産に。
体験メニュー
コーヒー豆の花炭は、脱臭効果がバツグン。
こちらも参加者に分けて頂けました。
体験メニュー
花炭とピザ作り体験
料金:2000円
所要時間:2~3時間
*花炭作りのみの体験は1500円
住所
平川市尾埼浅井118-1
℡&FAX
0172-44-6241
期間は4月~11月
駐車スペース有り
人数:3~20名
予約が必要です。
この日の午前中はジンレリア農園&工房で体験させて頂きました。
まとめ
ご主人とツーショットの石山順子さん。
息子さんがあの有名なラーメン研究家の石山勇人氏だったとは!
農のふれカフェお披露目 で『工房Junko』を運営する石山順子さんの体験会に参加することができました。
順子さんの花炭は道の駅「四季の蔵もてなしロマン館」で拝見したことがありますが、体験したことで炭の奥深さに私も気づかされました。
あなたも津軽の旧家の農園で、花炭作りの体験をしてみませんか。
自然のなかでくつろぎながら薪の炎を眺め、でき上がった花炭を持ち帰ることができます。
楽しい経験を有難うございました!
2019年2月6日更新しました。
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